こんにちは、ナガイです。
今回は、Windows11で表示される【ピン留め済みのアプリを削除する方法】をご紹介します。

こちらは、私が案件の中で、以前ご説明したプリインストールアプリの削除を実施したお客様からご要望をいただき設定した内容になります。
「ピン留め済み」とは
「ピン留め済み」とは、Windows11から搭載されている機能です。
タスクバーのWindowsアイコンをクリックするとメニューが立ち上がりますが、そこに「ピン留め済み」として表示され、アプリのアイコンのショートカットで起動することができます。
この機能とても便利なのですが、欠点があります。それは、ピン留めされているプリインストールアプリをアンインストールしても表示が残ってしまうことです。
厄介なことに、アプリを削除されていたとしても、ピン留め済みに表示されているアプリをクリックすると自動で再インストールされてしまうんです。せっかく、アプリを削除してもこれでは意味がありません。
そこで、今回は、このピン留め済みに表示されているアプリを削除する方法をIntuneのアプリ配布機能を使って実現します。
今回の題材である「ピン留め済み」調べてみましたが、画面操作からの削除方法はたくさんサイトにあります。ですが、コマンドで消す方法は見つけることができませんでした。
さらに調べてみたところ、ピン留め済み設定をバックアップしておく方法を紹介されていたファイルがありました。こちらのサイトです。
こちらのサイトをヒントに、ピン留め済みに表示したいアプリだけを残した状態で、ピン留め済みの制御を司るstart.binファイルを取得し、アプリ配布機能を使って既定で配置しているモノと入れ替えてしまうという方法を採用しました。
ピン留め済みアプリ削除までの流れ
ピン留め削除を設定するまでの流れを記載します。
- 「ピン留め済み」を司るstart.binファイルの取得(バックアップ用)
- ピン留めに表示されるアプリの変更
- ピン留めアプリを司るstart.binファイルの取得(配布用)
- インプットファイルの作成
- Intunewinファイルへの変換
- Intuneへの設定
「ピン留め済み」を司るstart.binファイルの取得(バックアップ用)
1.エクスプローラを立ち上げます。

2.エクスプローラのパス入力欄に「%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState」を入力して、Enterキーを押下します。

3.開かれたフォルダの中にある「start.bin」ファイルを別のフォルダにコピーして保存します。
※このファイルを取得しておくと、初期値に戻したいときに便利です。
※また、デバイスによっては、「start2.bin」という名前の場合があります。僕の端末ではこちらでした。

4.コピーしたファイルは、わかりやすいように「start_初期値.bin」などに名前を変更します。
ピン留めに表示されるアプリの変更
1.Windows11端末を開きます。
ログオンするユーザーアカウントの権限は「管理者権限」にしてください。
2.Windowsアイコンをクリックし、「ピン留め済み」を表示します。

3.不要なアプリ上で「右クリック」し、「スタートからピン留めを外す」をクリックすると、ピン留め済みから表示が削除されます。

4.ピン留めに表示させたいアプリがある場合は、ピン留め済み画面の「すべてのアプリ」をクリックします。

5.すべてのアプリ一覧から、表示させたいアプリを探し、アプリ名上で「右クリック」し、「スタートにピン留めする」をクリックします。

6. 3-5の手順を使って、ピン留め済みに表示させたいアプリを整理します。
ピン留めアプリを司るstart.binファイルの取得(配布用)
1.「「ピン留め済み」を司るstart.binファイルの取得(バックアップ用)」で説明した、「%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState」をエクスプローラで開き、「start2.bin」ファイルを新規作成したフォルダにコピーします。
※このファイルは配布用ファイルとして使います。

インプットファイルの作成
1.PowerShell ISEを開きます。(権限は一般でも、管理者でもどちらでも問題ありません。)

2.以下のコマンドをコピペします。
コマンドの中の、<削除するstart.binファイル名>、<コピーするstart.binファイル名>を記載してください。
- 削除するstart.binファイル名:「start.bin」もしくは、「start2.bin」
※両方ともフォルダに存在していた場合は、「start2.bin」 - コピーするstart.binファイル名:「削除するstart.binファイル名」と同じにします。
# 検出規則用のタグファイル作成
if (-not (Test-Path "$($env:ProgramData)\Microsoft\StartMenuPin"))
{
Mkdir "$($env:ProgramData)\Microsoft\StartMenuPin"
}
Set-Content -Path "$($env:ProgramData)\Microsoft\StartMenuPin\StartMenuPin.ps1.tag" -Value "Installed"
# ログ取得スタート
Start-Transcript "$($env:ProgramData)\Microsoft\StartMenuPin\StartMenuPin.log"
# 現在設定されているstart.binファイルを削除
Remove-Item -Path "$($env:LOCALAPPDATA)\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState\<削除するstart.binファイル名>" -Force –Recurse
Write-Host "Remove-Item completed"
# 新しいstart.binファイルをコピーで格納する
Copy-Item -Path <コピーするstart.binファイル名> -Destination "$($env:LOCALAPPDATA)\Packages\Microsoft.Windows.StartMenuExperienceHost_cw5n1h2txyewy\LocalState" -Force
Write-Host "Copy-Item completed"
# Stop logging
Stop-Transcript
3.ファイル名を「StartMenuPin.ps1」とし、「ピン留めアプリを司るstart.binファイルの取得(配布用)」で保存したstart.binファイル(もしくはstart2.binファイル)と同じフォルダに保存します。
「StartMenuPin.ps1」は「ピン留めアプリを司るstart.binファイルの取得(配布用)」で保存したstart.binファイル(もしくはstart2.binファイル)と同じフォルダに保存します。
Intunewinファイルへの変換
Win32アプリ配布するために、作成したファイルをIntunewinファイルへ変換します。
Microsoft Win32 コンテンツ準備ツールをダウンロードする
Intuneで、Win32アプリ配布を行いたいときは、必ず事前にintunewinファイルに形式を変換する必要があります。この変換を行ってくれるツールをMicrosoftが準備してくれています。詳細は以下の公開情報をご参考ください。
1.以下のサイトにアクセスします。
2.[<>Code]のプルダウンをクリックし、[Download ZIP]をクリックします。

3.ダウンロードされたzipファイルを解凍、展開します。
PS1ファイルをintunewinファイルに変換する
1.展開されたファイルから「IntuneWinAppUtill.exe」を管理者権限で開きます。
2.コマンドプロンプトが立ち上がります。それぞれの値を入力しそれぞれEnterをおしてください。
- Please specify the source folder: → StartMenuPin.ps1の格納されているフォルダパス
- Please specify the setup file: → 「StartMenuPin.ps1」
- Please specify the output folder: → 変換したintunewinファイルを格納したいパス
- Do you want to specify catalog folder (Y/N)? → Nを入力してください。

3.成功すると、output folderに指定したフォルダにintunewinファイルが生成されます。

Intuneへの設定
1.Intune管理センターを開きます。

2.[アプリ]-[Windows]をクリックします。

3.[ + 追加 ]をクリックします。

4.アプリの種類から[ Windowsアプリ(Win32) ]を選びます。

5. [ 選択 ]をクリックします。
6. [ アプリ パッケージ ファイルの選択 ]をクリックします。
7.上述の手順で作成したintunewinファイル(StartMenuPin.intunewin)を選択し,[ OK ]を選択します。

8.『アプリ情報』の画面にて、以下を入力します。
- 発行元:(適当)
- そのほかの項目:必要に応じて設定

9.『プログラム』の画面にて、以下を入力し、[ 次へ ]をクリックします。
- インストールコマンド:powershell.exe -noprofile -executionpolicy bypass -file .\StartMenuPin.ps1
- アンインストールコマンド:powershell.exe -noprofile -executionpolicy bypass -file .\StartMenuPin.ps1(なんでもよい)
- インストールの処理:ユーザー
- そのほかの項目:適時設定してください

10.『必要条件』の画面で、以下を入力し、[ 次へ ]をクリックします。
- オペレーティング システムのアーキテクチャ:32ビット、64ビット
- 最低限のオペレーティング システム:配布したいデバイスのバージョンが包括されるもの
11.『検出規則』の画面で、[ 規則の形式 ]から [ 検出規則を手動で構成する ]を選択します。

12.[ + 追加 ]をクリックします。

13.『検出規則』画面が表示されるので、以下を入力し、[ OK ]をクリックします。
- 規則の種類:ファイル
- パス:%ProgramData%\Microsoft\StartMenuPin
- ファイルまたはフォルダ―:StartMenuPin.ps1.tag
- 検出方法:ファイルまたはフォルダ―が存在する

14.元の画面に戻るので、[ 次へ ]をクリックします。
15.『依存関係』は特に設定がないので、[ 次へ ]をクリックします。
16.『置き換え』にも設定はありませんので、[ 次へ ]をクリックします。
17.『割り当て』の「必須」に配布したいデバイスを追加し、[ 次へ ]をクリックします。
18.『確認と作成』で、設定値を確認し問題なければ、[ 作成 ]をクリックします。
設定方法は以上となります。
最後に
本日の解説は以上となります。
今回の設定ですが、プリインストールアプリの削除をするのとセットで使うのが親和性が非常に高いのではないかと思います。プリインストールアプリの削除方法もご紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
このほかにも、さまざまな構成ファイル設定やアプリ配布実績が私にはあります。
もし、Autopilot技術に興味がある、自分たちのPC設定内容がどこまで実現できるのか知りたいなど、ご相談ベースでも構いません。ご連絡いただけましたら、調査することも可能でございますので気軽にご相談ください。

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